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【完食されないラーメンを出すな】ナタリー式文章術から学ぶ悩まず書くための文章術。『新しい文章力の教室』より。

【はじめに】

こんにちは、Kindlizedです。

本日は、月3000本以上((本書出版時データ、音楽だけでない今は何本くらいなのだろう?))の記事を配信するポップカルチャーニュースサイト「ナタリー」の文章術をご紹介します。

 

1日15本以上の記事を書くライターもいるというナタリー。どのように多産なライティングがなされているのでしょうか。

 

本日の1冊

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング:唐木 元

本書の構成

  • 第1章:書く前に準備する
  • 第2章:読み返して直す
  • 第3章:もっと明快に
  • 第4章:もっとスムーズに
  • 第5章:読んでもらう工夫

当エントリーでは、第1章の書く前の準備編に絞りご紹介します。

なぜなら、他の章に書かれていることは「70点を、80点や90点にする」文章術だからです。

第1章:書く前に準備する

書けないの実情は3つ

著者は前書きで、書けないの実情を暴きます。

  1. 遅い
  2. まとまらない
  3. 伝わらない

ではいかにしてこの3つを克服すればよいのでしょうか?

「良い文章」とは

ナタリー式文章トレーニング講座である著者の主催する「唐木ゼミ」の初回では、必ず聞かれる質問があるそう。

 

それは、「良い文章とは何か?」

 

 

「わかりやすい」

「知りたいことが載っている」

「間違いがない」

「うんざりしない」

「得した気分になる」

 

などが思いつくところでしょうか。

 

著者はそれぞれ良い解答であり正答であるが、

複数あっては目的地がブレるということで、

ゼミでは一つの「万能解」に絞ることを提案します。

 

それが「完読」

 

 

「最後まで読まれる文章が良い文章」ということです。

 

 

 

目標が決まれば、あとはその道筋です。

 

文章を「完読」されるには、何が必要なのでしょうか。

 

 

ここで「完読」の補助線として「完食」を思い起こすことを勧められます。

 

完食ならイメージしやすいですね。

ダメな文章とは「食べきれないラーメン」なのです。

 

では食べきれないわけはなんでしょう。

「多すぎる」

「美味しくない」

「店が不快」

「求めてた味と違った」

などいろいろと想像できます。

 

それを「完読を目指す」文章では避けるべきなのです。

 

 

上の食べきれない理由を、文章版に直せば

「文章が長すぎる」

「内容がつまらない」

「欲しい情報が得られなかった」 

などになります。

 

だから、私たちが「完読される文章」を目指すとき、「おいしく完食できるラーメン」を思い起こせば判断ができるわけです。

文章は目に見えてる部分だけではない

 ただ「完読を目指す文章を書こう!」と号令すると、

 

奇をてらうレトリックや目新しい言い回しで「背伸び」しようとする人が後をたたないそうです。

その努力を著者は「見当違い」とします。

 

本当に努力すべきは、どこか?

 

そのためには文章の3層のレイヤー構造を知らなければならないと著者は言います。

 以下に示すのが「文章の3層のレイヤー」です。

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下から「事実」「ロジック」「言葉遣い」と積み重なっています。

 

この順序は、下から「取り返しのつかない」順序となっています。

当然ですが、土台の「事実」に誤認があれば、上がいかに素晴らしくとも0点となります。

 

またこれも言わずもがなですが、

「事実」は正しくても「論理」が破綻していれば、

「言葉遣い」にいくら技巧をこらしても取り返すことはできません。

 

 

 だから、我々は土台に力を割かなければなりません。

つまり、「事実」と「論理」の組み立てこそ主戦場ということです。

 

さて、ここまで来て、ついに「1章:文章を書く前の準備編」の主眼に入っていきます。

「文章の組み立て」とはいかにすべきなのでしょうか?

「プラモデル」式文章の組み立て術 

著者は例によって、比喩を持ち出してこう言います。

 

「丸太とノミを渡されて、これでガンダムを作れと言われたらどうしますか?」

誰しも途方に暮れそうな質問です。

 

「では、そのガンダムがプラモデルだったらどうでしょう?」

 

「出来はさておき、小学生でも完成にこぎつけます。なぜでしょうか?」

 

その理由は「プラモ」を買うと付いてくるものにあると言います。

それは、

パーツ、

取説、

箱絵

の3つです。

「なぜプラモが簡単で間違いがないのか。それはあらかじめユニット化されたパーツが用意されていて、箱絵で完成イメージを確認したのち、取説の指示通りに組み立てるからです。」

だから、文章を書くときにもプラモデルをイメージして書こうというのが「プラモデル式」。 

その手順は、 

  • 書きたいことのパーツを揃える
  • 文章の主眼をセットする
  • 文章の骨子を立てる
  • 「構造シート」で整理する

それぞれみていきましょう。

手順1、2は自明ですので簡略に。

プラモデル式1:パーツを揃える
  • 材料を取ってくる、すなわち「取材」
  • 書きたい話題を箇条書きにする
  • 事実を集めてトピック化する
  • 「5W1H」に沿って事実を揃える
プラモデル式2:文章の主眼をセットする
  • 書き始める前に、主眼(テーマ)を設定する
  • 文章のオリジナリティは「切り口」に宿る
プラモデル式3:文章の骨子を立てる
  • 集めた話題をどれから書くか決める
  • それぞれの話題をどれくらい書くか決める
「構造シート」で整理する

さて聞きなれない言葉が出てきました。詳しくみていきましょう。

 

構造シートとは

「これまでの一連の作業を一枚の紙の上で、決まった流れで行う方法」

その手順は、

  1. ノートでもコピー用紙でも構わない一枚の紙を用意します。
  2. 紙の上方に大きく線を引いて、テーマ(主眼)を書く欄を作ります。(今段階では空欄)
  3. 書こうとする話題を箇条書きする
  4. 話題を眺めて、これから書く文章の主題を見定め、先ほどのテーマ欄に記入する
  5. どの話題から切り出していくべきか吟味し、先ほどの箇条書きの左傍に数字を書き込む
  6. 紙を変えるなどし、順番通りにならべかえる。しっくり来なければ、4からの手順を繰り返す
  7. アピールしたい優先度を項目の右傍にABCで格付けする

新人記者だと、手書きで、1日1本から始まり、30本ほどこの構造シートを書くんだそう。

そして、その後手書きを卒業し、パソコンのエディタ上に100本ほど書く。

ここまで二ヶ月ほど。

このトレーニングを経ると、目星の付け方を心得てきて、サクサク仕上げられるようになり、

2年も経つと、「即座にテーマと骨組みをつかみ取り、いきなり書き始めているように『見える』ようになります。」 

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だからベテランといえどもいきなり書いているわけではなく、

「ニュースソースに出会った瞬間に、

切り口はこれだな、

この話をしてこの話をして

この話でフィニッシュ、と瞬間的に脳内で見切っているのです。」

「完読」のために「サビ頭」で構成

こうして、構造を手に入れたことで、文章の骨子が固まりました。

 

ですが、先にあげたように、目指すところは「完読」です。

 

独りよがりに書きたい主眼に沿って書きたい順番に書いていたのでは目的は果たせません。

 

著者も、「いちばん思案に時間がかかるのが『順番』です」と言っています。

ただ、

「ただし文章にはどの順番で話題を並べたら効果的かという、ある程度の定石、定番パターンみたいなものがあります。私が8割がた記事に適用しているのが『サビ頭』です」。

 

聞きなれないこの言葉は、もとはJpopの冒頭にサビを持ってくる作曲法のことを指すそう。

 

CDの登場により、ボタンひとつで曲をスキップできるようになったため、冒頭から心をつかむ必要ができ、その結果登場したのが「サビ頭」。

 

文章に適用させると、「冒頭で読者の興味をグイっと引きつけ、関心をキープしたまま、目標である『完読』までこぎつける。そんな設計がネット時代の基本装備だと考えています。」

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この説明はナタリーさんならではで面白いところです。

構造シートを元に書き始める

ここまで来て、いよいよ文章を書き始める準備ができたことになります。

 

あとは、構造シートを元に肉付けしながら文章の状態にまで修正していけば記事の出来上がりです。

 

以上がナタリー「プラモデル式」文章術となります。

【あとがき】

いかがでしたでしょうか。

書く前の準備にこれだけ手間と時間をかけているんですね。

 

おそらく多くの方は、似たような思考の流れを「頭の中」でやっているとは思うのですが、文字に実際に起こしているのがポイントでしょう。

 

著書では、他にも、ナタリーさんのメディアとしてのポリシーが載っていてこれがとても興味深かったり、また題材の文章に実際のアーティストさんのことが出てきたりと、「ナタリー」を日頃から購読している自分にとっては楽しい読書となりました。

 

文章術を学びたい人はもちろん、ナタリーさんに興味ある方にもお勧めできる内容となっています。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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